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2015/03/06

勝間のオートバイ、和代のデマ

経済評論家の勝間和代さんという人物を、おじさんはまったく信用していません。
数年前に民放テレビでご自身の離婚について語る番組に出てました。再現ドラマが付いていて、それによれば別れた夫は極悪人でした。
これはひどい。仮にそれが事実に近いとしても、メディアに反論や弁解の術のない一般人である元夫が、テレビで一方的に恥を電波に乗せられて欠席裁判にかけられて良いはずがありません。最近話題の百田尚樹さんと、やしきたかじんの娘さんとの間の「殉愛」騒動構図によく似ていますね。
勝間さん、近ごろはほとんど見かけなくなってたので、世間の消費期限が切れたと思っていました。ところが、ここにきてリフレ派の旗を振り立て、アベノミクスを持ち上げて、再び悪目立ちを企てつつあります。
原発事故直後の電力会社擁護も露骨でしたが、よほど権威やお大尽がお好みなのでしょうか? 政府の広報予算が大増額されるそうですから、ビジネスの方向性としては正しいのでしょう。
朝日新聞での「今後は正社員の給与が上がる」等、横丁の手相見みたいな経済予測は、これからいろんな人たちにツッコまれるでしょうからここでは置いといて、オートバイを愛するライダーの一人として見過ごせない、勝間さんの言動を俎上に上げます。
勝間さんは公式サイトで大型自動二輪車に乗るのを止めると宣言しました。それは勝手です。ご自由にどうぞ。
問題は、それを自身の体格のせいにしている点。身長160センチに満たない女性は大型車に乗るなと言っているも同然です。
バイクのシートの高さ、まずどんなに低いものでも75センチ、主流は80センチ前後です。これだと、158センチだと足がろくに届きません。(勝間さんのサイトより引用)
オートバイを停車させる時は、臀部を左側に寄せて右足でリアブレーキを踏み、左足で着地します。これさえ守れば、日本人から見たら大方が巨人のドイツ人がこしらえたBMWであろうと、問題はありません。最近は右足で接地するライダーをよく見かけますが、フロントブレーキだけでの制動はオススメしません。これは余談ですが。

つぎ、バイクの重量が、大型は220キロくらいからですが、私の体重の4倍になってしまう!!
すると、80キロの男性であれば2.6倍くらいですが、私が同じ比率で言うと、せいぜい150キロ未満のバイクでないと、取り扱いに苦慮するのは当たり前なわけです。(勝間さんのサイトより引用)
無意味な分析です。youtubeをチェックすれば、女性白バイ隊員が300キロ近い大型車を軽々と乗り回している動画がたくさんありますね。中には158センチの勝間さんより背が低い人もいます。要は本人の努力が足りないということです。
低速時に、特に立ったときに「バランスが悪い」という問題は、訓練ではどうしようもないのです。
いろいろ調べましたが、やはり、600ccとか1200ccとか、バイクのエンジンが大きくなればなるほど、どうしても重量はかさみます。そして、200キロを超えるもののバランスが悪いのは当たり前です。(勝間さんのサイトより引用)
モーターサイクルはバランスの乗り物です。単体では正立できないオブジェクトを人間が制御するのです。「訓練ではどうしようもない」ならば、メーカーは大柄な野郎専門の「どうしようもない」商品開発に血道を挙げていることになります。大型に乗る女性は山ほどいます。何を「いろいろ調べた」のか知りませんが、体格に恵まれぬ女性などと、一般論に転嫁せず、個人の技量や適性の問題を考えるべきではないのですか?
そして、なんといっても、低速時とか、止まっているときに「ぐらっ」としたときに、私の体格では、そのぐら、に物理的に耐えきれないのです。これはもう、技術がどうのこうのという以前に致命的な欠点です。
(中略)「もう、どんなに努力しても、確率論的に、無理なものは無理」
と、致命的なケガをする前に、あきらめることにしました。(勝間さんのサイトより引用)
体格に優る男どもは、その体力にモノを言わせてバイクを操っているのでしょうか? 呪術的確率論に頼り、製品のせいにする前に、己の技術を疑うことこそ普通人の感覚だと思いますが。
では、女性は大型自動二輪車に向かないのか、反証事例を挙げましょう。1982年、堀ひろ子、今里峰子(現姓・腰山)の2人の日本人女性がオートバイによるサハラ砂漠縦断に成功します。同年6月10日付の朝日新聞「サハラ砂漠縦断したわ」から引用します。
(前略)昨年暮れから準備にかかり、オートバイメーカーにかけあって排気量500ccの大型オートバイ(注・スズキDR500)2台を提供してもらった。食料やガソリンを運ぶために、堀さんの知人の男性2人(東京在住)が、ジープ(注・スズキ・ジムニー)で伴走する役目を引き受けた。
(中略)毎朝、6時半にスタート、正午まで走る。最高気温が65度にもなり、オートバイの泥よけで卵焼きができる酷暑。午後4時半ごろまでテントを張って休み、再び夕方までハンドルを握る。平均速度は80-90キロ。
スタートして10日目ぐらいに砂あらしでテントを吹き飛ばされた。期待していた夜空も、砂煙にかくされ、「早く日本へ帰りたい」となげき合ったこともあったという。(引用おしまい)
どうですか? 体格のせいにする、バイクのシート高や重量の問題をあげつらう勝間和代さんと、サハラを完走した堀、今里両嬢の性根を比べてみましょう。
砂漠の真ん中では、うまくいかないことがあってもマシンに責任を問えません。
勝間さんは自分をよく見せる術には長けているのでしょう。でもね、社会人とは「自分がどう見られているか」を意識して振る舞う人なのだと思います。勝間さんには、その意識がありますか?
虚飾は自らの世間を狭める。調子乗りでええカッコしいになりがちなおじさんは、鏡として勝間和代さんを見ます。その点において、彼女には存在価値があるのかもしれません。

追記:タイトルは大昔のヒット小説「彼のオートバイ、彼女の島」(片岡義男著)からのパチリです。野暮な追記ですが、最近はカタオカヨシオが通じないこと多いんです。