社会問題を扱うのは新聞の使命でしょうが、取材した記者に自動二輪車の知識がなさ過ぎる。
「ドッドッドッド」。低く迫力ある排気音が響く。赤と黒の車体が特徴の愛車「ホンダCBX400F」にまたがり、福岡県久留米市を拠点にする旧車會のメンバーの男性(35)が現れた。(記事より引用おしまい)
低く迫力あるアイドリングは、単気筒や2気筒といった、シリンダーの往復距離が長くて不等間隔爆発をするエンジンの物です。あの手の輩はまず乗りません。
アクセルの開閉を繰り返し、下品な形をした爆音マフラーから騒音を撒き散らす行為に快感を得るのが珍走ですから、反応良く、バカげたアクセルワークにも付き合ってくれる4気筒を好みます。頑丈なホンダクオリティを誇るCBX400Fがアホどものアイコンになるはずです。それにしても、30年前の中古400ccが珍走相場では130万円かあ。理解できません。
アクセルの開閉を繰り返し、下品な形をした爆音マフラーから騒音を撒き散らす行為に快感を得るのが珍走ですから、反応良く、バカげたアクセルワークにも付き合ってくれる4気筒を好みます。頑丈なホンダクオリティを誇るCBX400Fがアホどものアイコンになるはずです。それにしても、30年前の中古400ccが珍走相場では130万円かあ。理解できません。
旧車會(以下、古珍走と表記)の説明も「古いバイクの愛好家らが集まり、ツーリングする集団。全国各地で、チーム単位で活動している」とツーリングクラブ扱い。老いた珍走の出戻りでしょ。朝日新聞で珍走と一緒にされて、世間にますます誤解されるクラシックバイクライダースの立場ないね。
それはさておき、40〜50代にもなっても珍走するガキオヤジどもが湧いてくる、現在の惨状を招いた原因を考えてみましょう。
おじさんは対珍走行政が無策だった点を第一に挙げたい。その証左として、1976年6月18日付の朝日新聞「ナナハン、親の承諾を 暴走族対策-自工会が販売自粛」から引用します。
ナナハンは買う人の適性をチェックしたうえ、親の承諾がなければ売りません――日本自動車工業会は17日、暴走族対策の一環として、大きな排気量のオートバイ(二輪車)の販売自粛を申し合わせた。しかし暴走族の主流は、普通の自動車(四輪)に移っており、オートバイメーカーの販売自粛だけでは実効がないという声もあり、暴走族規制をめぐって、二輪車業界と四輪車業界が責任をなすり合う場面も出てきそうだ。自工会の申し合わせによると①排気量350cc以上のオートバイを買いに来た人には、販売店にいる指導員が体格や運転技術をみたうえ、保護者の承諾を求める②高校生などを対象に安全運転講習会を開く③学校が夏休みにはいる直前の8月上旬までの1カ月間を「安全運転月間」とし、安全運転を呼びかける――など。これは政府の協力呼びかけに業界としての「対応策」を示したものだが「こんなことで暴走族を抑え込めるはずがない」という声が当の二輪車業界からも出ている。というのは「昨年までは、暴走族といえばオートバイ、なかでも750ccのいわゆるナナハンに乗っている若者というイメージが強かった。しかし最近、オートバイに乗っているのは露払いの子分で、そのあとからついてくる四輪車にグループの親分が乗っているケースが多い。とくに悪質なのは、木刀などの武器を隠し持てる四輪車に乗っている」(某オートバイメーカー)という。これに対し、四輪車メーカーは「騒音などを考えてもオートバイの方が問題。四輪車はまだまし」と、自動車規制に飛び火するのを恐れている。警察庁は「必需品ではなく、レジャーにすぎないナナハンの規制は当然だ。しかし、ことしになってからは、暴走族の8割以上が四輪車。四輪車規制の必要性は感じているのだが、暴走族だけを区別し、規制する名案がない。やはりびしびし検挙するしか手がない」(交通指導課)と頭をかかえている。(引用おしまい)
ふぅ〜、愚かですね。ある程度成熟した経済下の社会では、珍走とて乗り物をクルマにシフトするのは理の当然。二輪車だけを規制の対象とするのは時代遅れです。
二輪車メーカーの営業に打撃を与える自主規制が、自工会から出ること自体おかしな話ですが、警察庁の大時代的コメントから、何らかの行政指導があったことが想像できます。法改正などを避け、自分の手を汚さずに何とかしようと、業界団体に押し付けたんですね。わかります。
その無為無策が、今のいいトシをした古珍走のジジイどもを生み出した元凶だと言えないでしょうか?
おじさんがオートバイに乗り始めたころは、50ccに乗る際にはノーヘルOKでした。頭部をさらしたまま、ホンダMB50という暴れ馬で走り回っていた昔の自分を思い出すにつけ、今までよく命があったものだと思います。後の第1種原付のヘルメット着用の義務化によって、どれだけの命が救われたものか。
交通行政には、規制のための規制ではなく、国民の命を守ることを第一義に考えてもらいたいものです。
いいトシをして古珍走を続ける人たちには、元珍走団メンバーだったタレント井倉光一さん(イクラちゃん)の金言を紹介しておきましょうか。
「いつまでもバカなことをやっていたら、ホントのバカになっちゃうから」。手遅れかな?