コピー禁止

2014/11/27

商標とグローバリズム

日本の自動車のおかしなネーミングをネタにして笑ってる海外サイトがあって、日本人としてちょっと恥ずかしい思いをしました。
グローバル化が進んでいる時代に、何でも横文字を使やいいってもんでもないでしょうに。とりあえず、形容詞とか動詞からの命名はやめていただきたい。
おじさんが一気に脱力したのは、日産の「MOCO」ってクルマです。スペイン語でトンデモない意味。乗っている人がかわいそうなので詳述しません。興味がある人は翻訳サイトで調べてみよう。このクルマでラテン美女をナンパしてはいけません。スパニッシュぺらぺらのカルロス・ゴーンさんは何も言わないのかな?
消費者様に語学力を強いるのは酷ですから、メーカーには恥ずかしい商標を防ぐ道義的義務があります。
今日は国辱的な商標登録を未然に防いだ特許庁の奮戦を紹介します。19961114日付の朝日新聞「bitchの商標受理しません」から引用します。
人種差別の意味をもつ言葉や性的虐待のイメージをもつ図形などは、商標として保護しません――特許庁は13日、商標登録で「差別的もしくは他人に不快な印象を与える文字や図形」の出願は受理しないことを商標審査基準に加筆明記することを決めた。
きっかけは、女性に対する蔑称の意味もある「bitch」の言葉と、男性が女性の頭に銃を向けたデザインをあしらうなどした商標出願が、昨年から今年にかけて、同じ会社から15件出されたことだった。
特許庁は商標法で禁止されている「公序良俗を害する商標」に当たるとして、このうち4件の登録を拒否し、残りも今後、拒否するという。しかし、商標法や商標審査基準には「卑わい」「矯激(極端に過激で反社会的なこと)」などの基準はあったが、差別用語などを明確に排除する規定がなく、今回の明文化となった。
半面、言葉の価値基準の線引きはあいまいで、図形の判断はさらに難しそうだ。特許庁は①辞書などに蔑称や差別用語として明記されている②人権保護団体が問題視している、などさまざまな要素を加味して判断するという。(引用おしまい)
「bitch」の拒否は本来、至極当たり前の判断ですけど、一般的な「お役所仕事」に終わらなかったことが評価に値します。これを許していたら、これが「判例」となり、「Jew」「Nip」とか、「ハイル・ヒトラー」やら、中国・朝鮮人差別用語などがどんどん商標登録されて、我が国の非常識を世界になじられていたかもしれません。
グローバリズムを無視してはいけません。自動車をはじめ、日本産の品質の高さが世界中に認識されている中、変な商品名が横行すれば、国民の文化の程度を疑われる結果を招きかねませんからね。