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2014/10/08

インド洋のオキナワ(2)

前項からの続きです。島民を追い出して基地を建設、インド洋での軍事的覇権を握らんとする米国に泣かされるジエゴガルシア島(Diego Garcia)のお話。沖縄県民の悲哀が重なります。1975年9月11日付の毎日新聞「大国のかげに泣く島」から引き続き引用します。
このあと米、英側の議会工作が始まる。米国防総省は「ジエゴルシアは事実上の無人島。基地建設による政治的トラブルは起こり得ない」といい、英政府も「住民は契約労働者ばかりで、合意のうえ島を去った」と型どおりの説明。一方、モーリシャス側は島民への補償を繰り返しているが、英側は72年に65万ポンド(4億5500万円)を支払い済みだと主張している。74年には、モーリシャス政府の責任有る人物が補償の未払いを非難したことがあり、補償金が支払われたかどうかはっきりしない。事実、補償金は島民の手には渡っておらず、434家族のうち422家族が米、英両政府への嘆願書に署名して「いかに多くの仲間が貧苦と悲しみのなかで死んでいったか理解してほしい」と訴えた。補償金がどこかで蒸発したとすれば、問題はまた別の方面に発展するが、いずれにせよ犠牲者が島民であることに変わりはない。ガーディアン紙の記者の質問に対して、ケネディ米上院議員事務所は、ジエゴガルシアを再び議会で問題にする意向を明らかにし、英下院議員の一人も緊急調査を約束した。といっても、ソ連との間に軍事力の相互削減で合意のできぬ限り、一度動き出した基地建設の歯車はなかなか止められない。コプラヤシ園での作業は奴隷労働に近く、食物と家屋のほかは、衣服や日用品購入のためにわずか月2ポンド(1310円)が支払われるだけだったという。島民の一部は「家畜やニワトリを買い、魚をとって楽に日が送れた」良き時代を忘れかね、モーリシャスの米大使館に、島に戻って基地で働きたいと嘆願書を出しているが、返事はいまだにない。力の均衡を追う大国のかげに泣く、小さな島の悲しい話ではある。(引用おしまい)
議会工作する馬鹿、しない馬鹿。する方が米英、何にもしない方が日本の国会議員ね。
沖縄に関しては、爆音の賠償金、米兵による犯罪への補償金など、未払いのニュースをたくさん耳にします。日米地位協定とは刑法上のみにとどまらない、同じ土地に住む同じ人間を差別する、前近代的な現代の奴隷制ではないのか?
振興予算がジャブジャブ落とされているのに高失業率、低所得である経済構造も変わりません。
ジエゴガルシアより沖縄がマシなのは、民主主義が保障する選挙権が与えられていることです。
株価や為替に狂奔する大金持ちを除けば、日本への世界の眼はオキナワとフクシマに注がれています。県民の皆さんが賢明な選択をされることを期待しています。