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2014/08/15

8月15日の文明開化

NHK衛星放送の「世界のドキュメンタリー ・ヒトラー 政権掌握への道」は、なかなか見ごたえがありました。なんでこうなった、って理由がよくわかる。敵を想起して憎悪を煽るナチス。ふむふむ、外国の無謀と、美しい国の民族自決を訴えれば戦争ができるぞ、と。
制作はNHKじゃなくてフランスのテレビ局です。我が国の公共放送も、今さら山本五十六の絶賛プログラムなんてこさえてないで、なんでああなったのか検証してね。数百万人ぶっ殺して数百万人ぶっ殺された末に毎年迎える8月15日だってのに、材料がなきゃ不戦への反省も、再戦やらかす立案もできやしない。
結局、戦争しない一番の方法は、よその国と仲良くすることです。笑い合って、時にはお互いのメンツを立ててあげることです。学校の友達付き合いと同じだよ。
反対に相手の立場を考えずに勝手に振る舞うと、関係はこじれるよね。クラスでケンカが始まる。
1982年、日本の歴史教科書が侵略戦争の記述を大きく後退させて、中国・韓国との関係が悪化しました。翌年、韓国は過去の日本の残虐行為を自国の教科書に反映させる改訂で、報復教育を開始します。かわいそうなのはこどもたち。大人のナショナルエゴを学校で押し付けられたまま成長、大人になったらそれぞれの反日反中反韓を次世代に吹き込む。かわいそうなのはこどもたち(以下繰り返し)。
近親差別主義者の東アジア劣等民族たちは全員、19世紀以来再び白人様から学ぶべき時なのかもしれません。日本人には、境遇の似ているドイツの教科書づくりはいいお手本だね。同年8月19日の朝日新聞に掲載された、藤沢法暎金沢大教授(現代ドイツ教育史)の寄稿から引用します。
(前略)1970年代初頭、ブラント(Willy Brandt)政権の元で、ソ連、ポーランド、東ドイツ等との善隣友好関係がようやくにして結ばれ、ここに、国際関係の歴史記述をめぐる東側との対話の窓も開かれるにいたった。
そしてとくに複雑な経緯をはらむドイツ・ポーランド関係の叙述をめぐり、両国歴史家の会議がユネスコの援助で(中略)開催され、両者の一定の合意が形成されるにいたっている。だから現行の西ドイツの教科書には、この会議の勧告をふまえている、と冒頭に注記してある例も見うけられるのである。
今日、日本との対比で、ナチスの犯した蛮行や第二次大戦に関する西ドイツの歴史教科書の公正さが注目されているが、これは一朝一夕に成り立ったものではない。その陰には、国際関係の記述は国民的偏見に左右されることなく、国際協議を基礎に、という西ドイツの教育関係者の、さらには平和を求める全ヨーロッパの人びとの、多年にわたる努力の積み重ねがあったのである。
日本のばあい、政府も国民も国際感覚に乏しい、としばしば指摘される。戦争体験も加害者性よりも被害者性が主として想起されがちである。
(中略)日本も西ドイツの教訓に学び、ユネスコにも協力を求めつつ、教科書執筆者が直接、まず中国・韓国など東アジア各国と、さらにはソ連をふくむ関係各国と協議し、専門家の間で合意された結論を政府も尊重する慣行を樹立すべきである。(引用おしまい)
 はじめに言葉ありき。言葉を交わさなければ、向こうの気持ちもわかりません。過去に日韓共同歴史研究とかいうお手盛り事業がありましたけど、最初から失敗を見越したような乱暴な進め方で、やっぱり崩壊しました。国連機関の口添えがあれば、国際的権威に弱〜い日本人は案外マトモな歴史教育を再スタートできるかもしれません。
白人様、白人さま〜。近隣国だけに鎖国を続けている愚かな国々を開国してやってくだせえまし。文化文明を伝えてくださるよう、おねげえしやすだよ。