でも一方で、女性にだらしなかったり、計算に弱かったり、公衆マナーがまるでできていなかったりっていうイメージも、日本では強いです。
今日はそんなイタリアの人たちの間で携帯電話が流行し始めたころのお話です。1994年10月5日の朝日新聞に、海外の通信社が配信した外電として掲載されました。礼儀正しくて、他人に迷惑をかけることを嫌うとされる日本人が読んだら、イタリア人を笑い者にしたりバカにしたりするのかな?
場所をわきまえない通話が社会問題化するほど携帯電話が普及しているイタリアで、このほど電話会社が携帯電話「べからず集」を発行した。
中身は「劇場、映画館、教会では使うべからず」「食事中に食卓の上に電話機を置かない」など、ごくごく当たり前の"マナー"。イタリア人の電話マナーは悪く、テニス大会で米国の有名選手が観客席の電話の呼び出し音にいらついて試合を中断したほど。
結婚式で花婿の電話のベルが鳴り、誓いの言葉が中断、といった話もあるほどの国だけに、冊子の効果のほどは……。(引用おしまい)
おかしかったですか?おじさんは、ちっとも笑えませんでした。最近、街を歩けば、スマホに夢中になったこどもやおばさんが、おじさんに向かってきます。中には自転車で走りながら端末をいじっている人もいます。クルマのハンドルを操作してるのに電話で話しているオジさんが、横断歩道に入ってくるのもしょっちゅうです。
混雑した駅でも、液晶を見ながらホームの端を早足で進むお兄さん、お姉さんを見かけない日はありません。駅の掲示板には、「歩きスマホに注意」と書かれた恥ずかしいポスターが貼ってあるけれど、今のところあんまり効果はなさそうです。
日本ミンゾクはもはや、イタリア人に笑われるほどダメになっちゃってるよ。笑ってもらえるうちは、まだいいです。歩きスマホのせいで自分が大けがしたとかさせたとか、あなたが死んだりだれかを殺しちゃったりしたら、もう笑ってくれる人すらいなくなります。
自分の生命も他人の人生も勝手に壊す権利は、大人にもこどもにもないからね。文明の利器は慎重に使いましょう。