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2014/06/12

ニホンアシカの過去とニホンウナギの未来

ニホンウナギの絶滅危惧種指定はショックだけど、おじさんはウナギが元気良く川を上ったり下ったり(下りウナギといって、これを捕ると個体数が減ると言われています)する、おじさんがこどもだった時代の情景を、また見たいなあ。
ウナギ以前に、日本から消えてしまった動物はいっぱいいます。その中の一つが、海棲動物のニホンアシカです。
今日は、もう二度と見られなくなった絶滅種(分類上は絶滅危惧種種)ニホンアシカの姿をルポした1951年11月24日の朝日新聞から引用します。場所は島根県の竹島。

(前略)このあたりの岩礁は初夏のころにはアシカが群集し、産室になることで世界的にも有名な場所である。
西島に進むと、黒い2メートルもあるアシカがズボッと波間に現れ、弓なりに身体をそらせるとふたたび海中にもぐり込んで行く。水門のようにそそり立つ五徳岩から西島の北側にかけて、次第にアシカの姿が増えて行く。ウォッウォッというなき声が、この島の怪奇なフンイキの中ではうすら寒くまた気味わるい。50、60頭はいるようだ。(後略、引用おしまい)

気味が悪いかどうかは別にして、ニホンアシカの群れが船の周りを泳ぎ回る光景は、もはや地球上で見ることができません。ルポした記者は動物の専門家ではありません。60頭という頭数はあてになりませんが、繁殖地がここだけだとすれば、種の存続は難しいですよね。
近年の研究によると、ニホンウナギも繁殖地は一部の海溝に限られているみたいだね。おじさんがおじいさんになっても、ウナギが食べられるかな?今、動物園や水族館に行っても泳いでいるのは、カリフォルニアアシカなど海外種ばかり。おじさんは日本人として、少しばかりのさびしさを感じます。