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2014/08/06

自転車ヘルメットの是非

みんな、楽しい自転車ライフを送っていますか?
おじさんがこどものころは、中学・高校生は自転車に乗る時はみんな、ヘルメットをかぶっていました。貧相な発泡スチロールを薄いプラスティックで包んだだけで、人工皮革の耳あてが付いていて、ダサいことこの上なし、夏は暑くてしょうがない。
そんな代物でも、おじさんの命を救ってくれました。
中学生だったおじさんはある晩、自慢のスポーツサイクル、ブリヂストンのロードマンで疾走していました。灯火は大きな懐中電灯を前輪の横にくくりつけ、視認性は抜群です。車道の左側を交通ルールに則って快走するロードマン、信頼性の高いロードマン。それでも事故は起きました。
歩道から飛んできた黒い塊がおじさんの自転車に激突。車道に倒れたまま、しばらく息ができませんでした。
泥酔した男性が居酒屋から走り出してきたのです。ヘルメットは傷だらけで割れていました。壊れたプラスティックが頭蓋骨の身代わりです。へこんだ発泡スチロールが脳を守ってくれたんだと思います。
今日は国際ロードレースでノーヘルの選手が亡くなったニュースを紹介します。1995年7月19日の朝日新聞「自転車のツール・ド・フランスで転倒死亡事故」を引用します。ベタ記事ですが、おじさんが調べたところ、大きな新聞で記事にしたのは朝日新聞だけのようです。当時の日本人の自転車競技への興味の薄さがわかります。
18日行われた自転車レースのツール・ド・フランス第15ステージで数人が転倒する事故が起き、バルセロナ五輪個人ロードレースに優勝したファビオ・カサルテリ(イタリア、Fabio Casartelli)が死亡した。
事故はスタートのサンジロンから約30キロ地点のカーブで発生。数人が転倒し、カサルテリはコンクリートブロックに激突した。間もなく意識を失い、ヘリコプターで近くの病院に運ばれていた。
同レースで死者が出たのは1967年以来。(AP、引用おしまい)
 今では選手全員がヘルメットをかぶっていますね。最近のヘルメットは穴が空いていて夏でも蒸れないし、軽くて運転にもまったく支障がありません。
公道はレース以上に思いもしない事故のキケンがいっぱいです。もしまだ自転車専用ヘルメットを持っていなかったら、さっそく親御さんにねだってみよう。我が子の安全を願わぬ親はいないからね。買ってくれるよ。
人の死に価値を見出すことは難しいですが、みんながヘルメットをかぶることに決めたら、カサルテリ選手も少しは浮かばれるかもしれません。