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2014/08/11

不思議の国のアメリカ

アメリカの軍事力は世界一ィィィ!今年もVJデーがやってくる、ヤァヤァヤァ!盛り上がろうぜ、ヒャッハー!
ヘイ、君たち日本人はVJデーを知らないのか?
Victory over Japan Dayだよ。ジャップのクレージーな軍隊を太平洋と大陸からたたき出し、ついでに日本全国で花火大会をやった記念のフェスティバルさ。
トーキョーやオーサカでは、盛大にナイアガラを燃やした。祭りの締めは、四尺玉を二つばかり、ヒロシマともう一つの都市、何といったかな?勝者はすぐに忘れるんだ。とにかくそこでぶち上げた。それでもヒロシマの名前を知ってるだけでメリケンとしちゃ上等な方だぜ。エクスキューズミー。
ソーリーとは言わないよ。終戦を早めたんだからな。実際、露スケどもも四尺玉の素晴らしさにビビっちまって、北海道を寄越せと言えなかっただろう?アーユーハッピー?
何しろ俺たちにゃ、本土を派手に攻撃された経験が無い。日本人が科学を学ばなかったおかげで大戦中も、田舎のオレゴンがわずかな潜水艦の訪問を受けたのと、しょぼい紙風船のアタックがせいぜいクマしかいない森を少々焼いたぐらいだ。
戦争に対する恐怖心が市民にナッシング。俺たちが今も戦争中毒から抜け出せないのは、日本の責任でもあるんだぜ、マイフレンド。

戦争に対する価値観は国それぞれです。敗戦国のそれを米国にストレートにぶつけたところで、広範な理解が得られるでしょうか。今日は米国のいかにもアメリカンウェイな私的反戦運動を紹介します。1970年8月6日読売新聞夕刊「空から"不思議な国のアリス" 米でビラまく」を以下に引用します。
【ブリッジポート(米コネチカット州)5日発=AP】広島原爆25周年記念日を前に5日、あるパイロットが当地の上空を旋回しながら「これが爆弾だったらどうする?」と書いたビラを数百枚民家や庭や街頭に派手にバラまき、住民に"ヒロシマ"の恐怖を想起させた。
このビラにはさらに「戦争はいかなる理由でも正当化できない」と書いてあり、ビラを読んだ人たちに平和のために立ち上がろうと呼びかけている。警察ではこのビラをまいた男を捜しているが、まだ手がかりはない。なおビラの終わりには「"不思議な国のアリス"空軍とサインしてあった」(引用おしまい)
ロビン・フッドか、快傑ゾロか。例えが古いね。 「犯人」は、米国人が何を恐れ、何に共感するかを熟知しています。
ユーモア感覚が要求される米社会ではウケたんじゃないかな。毒も含んでいる。権力にとって、市民の覚醒ほど迷惑なものはありません。犯人は「敵」の把握に余念がない。民間機がイナゴのごとく飛び交うアメリカでは、警察の捜査も骨だったろうね。
交戦中から「菊と刀」などで日本を研究してきたアメリカ流と、戦前は英語を禁止して戦後も手前の理屈だけで反戦反核のブシドーを説く日本。
彼を知り己を知る戦略は、市民レベルでもまだまだ米国に分があります。