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2014/07/09

アメリカの病、肥満と銃

外国の国民性を扱う時、私たちはステレオタイプで見がちです。ロシアならアル中、中国であれば汚職。そして日本の同盟国アメリカ合衆国であれば肥満と銃のイメージになるでしょうか。これらがセットになると、悲惨な結末を迎えます。今日は19941229日の朝日新聞「160キロ、肥満なじられ夫を射殺 米国の58歳女性」から引用します。

【ロサンゼルス27日=共同】米テキサス州ダラス近郊の町で27日未明、58歳になる体重約160キロの女性が三十年連れ添った夫(60)から、やせなければ見捨てて家を出ると脅され続けたことに絶望し、夫を射殺する事件が起きた。
警察の調べに対し、この女性は「肥満で寝たきりになって以来、同じことをずっと言われてきた」と供述。身動きできない自分の傍らに、できるものなら自殺するなり銃撃するなりしてみろ、とばかりに当てつけがましく放り出されていた銃で、寝ている夫を撃ったと自供したという。
警察は太り過ぎてパトカーに乗せられなかった女性を救急車で留置場まで連行。地元の裁判所は、身動きできず逃走の可能性が小さい点を考慮し、殺人罪としては異例に低い2万5千ドル(約250万円)の保釈金を決定した。(引用おしまい)
日本ではおよそありえない事件ですね。暴力団でもない 限り銃を一般家庭に持ち込むのは不可能。先天的な病気は別にして160キロまで太るのもムリです。はあ、全米ライフル協会(NRA)みたいな兵器売りが日本にいなくてつくづく良かった。
舞台がテキサス州ダラス(Dallas,Texas)だというのも出来過ぎ。ジョン・ウェイン(John Wayne)とチャック・ノリス(Chuck Norris)の国、牛を飼っていないカウボーイがむき出しのライフルを抱えてウォルマート(Wal-Marts)を闊歩する国、民主党の大統領(John F.Kennedy)の頭を吹き飛ばした国。ありもしない大量破壊兵器をでっち上げて、中東をサンドクリーク(Sand Creek、注・ネイティブアメリカン大虐殺の地)に変えた大統領(George W.Bush)を生んだ国。日本でのテキサスの印象はこんなところでしょうか。しかし、テキサスだから起きた事件だと断じることが果たして妥当なのかな?
太り過ぎて寝たきりになれば、それは病気です。動けなくなれば精神も病むでしょう。病んだ人間でも拳銃や自動小銃を持つことができる社会は、好戦的な国にこそ生まれると、おじさんは思います。集団的自衛権をうたって戦争ができる国では、国民の気持ちも荒れます。銃とは言わず、包丁やナイフでもいい。
太って動けなくなった人間が、保険制度による医療加護を受けられない社会が米国です。日本は国民皆保険ですが、自己負担比率は増え続けています。戦争の支度にお金を使うようになれば、その負担率はなおさら上がるのは目に見えているのに、日本と関係のない戦争に参加できる体制づくりに賛成する人たちがいるのが不思議です。
日本がまともな国になってほしいのに、国民の幸福を真剣に考える人たちが売国奴扱いされる社会って何だろう?「愛国者」の意味とは何だろう?
みんなはどう思いますか?