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2014/06/16

チェルノブイリ事故・英国政府の反応

原発事故が起きた時、政府は正しい情報を出してくれるのでしょうか?ヨーロッパ先進国は、日本より情報公開と国民保護の意識が進んでいると思われがちだよね。
チェルノブイリ原発事故が起きた時のイギリスの対応を調べてみました。1986年8月8日の朝日新聞から引用します。太字挿入はおじさんによります。

(前略)この夏、ロンドンっ子の間で「チェルノブイリ・ジョーク」がはやった。
「英国からスカンジナビアに届く酸性雨と、英国に来る放射能雲とはどっちが重たい? 答えは放射能雲。死の灰は海に落ちてなくなるようだから」(スウェーデンで異常放射能がわかったとき、英政府は早々と安全宣言を出した)
放射能雲が北イングランド、ウェールズ、スコットランドに達したとき、政府は牛乳中のヨウ素131が、許容量1リットル当たり1000ベクレル(子ども)より少ない60ベクレルと発表した。同じ日に英国放射線防護委員会(NRPB)は、350-390ベクレルと発表。スコットランド民族党は、「まるでクレムリンの事故隠しと同じだ」と、政府にかみついた。
政府不信の定着を恐れた英核燃料公社(BNFL)は、7月初め、一転してイメージ回復作戦へ。放射能漏れで失点続きのセラフィールド核燃料再処理工場に、総額4億7000万円をかけて国民を招くキャンペーンを展開した。現在建設中の新型再処理工場は、向こう10年間で「40億ポンド(約9600億円)のビジネスになり、うち3分の2は海外からの外貨かせぎ」(BNFL広報部)と強調した。(後略、引用おしまい)

「クレムリン」というのは、共産主義といって、情報をひた隠しにして市民の自由を抑圧していたソビエト連邦という国の政治体制の中枢だった場所。日本は一般の国民に主権がある「民主主義」の国だと言われています。
でも、民主主義の国は、同時に資本主義の国でもあります。大きなお金が動く資本主義と、国民の幸せのどちらを政治家が選ぶのか、難しい選択だね。普通の人はお金の方に流れがち。国民に信頼される政府って、どうしたらできるのかな?