コピー禁止

2017/04/06

Let’s 銃剣道!

全国のお母さん方、おめでとうございます。新学習指導要領の中学武道に「銃剣道」が加わる運びとなりました。
ジューケンドーと言われても、あんまりなじみがありませんよね。こどもたちが、銃剣を取り付けた設定の小銃で刺突を競う軍隊の模擬戦闘が元です。
古来の槍術ではダメなんです。あくまで銃の形をした道具を使う軍隊調でなければ、大日本精神を育成できません。戦前戦中、大日本帝国で盛んに推奨された殺し合いごっこであってこそ、初めて生徒の精神修養となるのです。
仲の良いお友達に銃剣を突き立てる授業に繰り返し参加することで、精神力も鍛えられるはずです。ひいおじいさん、ひいひいおじいさんの時代の空気を、お子さんに体験させることができますよ。先祖の思いを21世紀の今の世でかみしめながらお墓参りに行きましょう。
本格的にやるなら武具の購入費など家計への影響も気になりますよね。お子さんが不器用だから、または優しい性格だから、お友達を上手に刺突できないかもしれないとご心配の向きもあるでしょう。
大丈夫です。こうした大和魂を練る教育目的については、文科省がそんたく分も含め多額の補助を施すはずですし、戦前は模擬銃に真剣を装着して、敵兵を模したワラ人形を攻撃するやり方もありました。お友達にけがをさせるとは限りません。人形に「中国亅「北朝鮮」と書かれたヘイトな紙を貼り付けるバカな教師も出てくる可能性が高いですから、愛国心も育まれます。
教育が目的ですので、どこかにそんたくして「中学報国講座・銃剣道」を放送するテレビ局が出てくるかもね。「刺突の基本」がしっかりと身につきます。現行の銃剣道は、旧陸軍関係者が戦後に再興したものですから、皇軍の美徳を引き継いだ伝統がありますよ。
この勢いだと、音楽の教室で小学生が教科書開いて「見よ東海の空あけて 旭日高く輝けば♪」なんて歌う日も近いでしょう。ご家庭でも一家斉唱して、八紘一宇・五族協和の日本精神を学びましょう。お子さん方は、民主主義などとぬかすアメリカが持ち込んだ反日的害毒を神国から一蹴する先兵となるのです。出征、おめでとうございます。
歴史ブログの端くれとしましては、その“大日本の伝統的武道”銃剣道の根底にある精神を探ることで、今回の戦前大和魂復古運動について考えてみます。
軍人の専門的戦闘術だった「銃剣術」が「銃剣道」の名で武道化した歴史は存外新しく、紀元2600年にあたる1940年のことです。日中戦争のまっただ中、太平洋戦争開戦を間近に控えた1941年7月7日、支那事変(盧溝橋事件)4周年を記念し、全国銃剣道訓練大会が大々的に開かれました。戦争バンザイの朝日新聞はもちろん協賛。陸軍戸山学校教官・引地俊二中佐に銃剣道普及の目的・真髄を紙面で語らせました。同年6月26日付の同紙「銃剣道訓練大会を前にして」より引用します。
(前略)銃剣術の究極の目的は戦闘において敵を刺殺するにある。したがってそこには剛健なる白兵格闘力が要求されこれが必殺必勝の確信は訓練によって養成される。陸海軍を通して軍人の9割4分までは銃剣をもって従軍するのであって、戦地では第一線たると後方たるとを問はず白兵戦を強要せられることは必然であるから国防武道として国民大衆に普及させねばならない。兵備の機甲化はますます重要であり、火力の発達も欠くべからざるものであるが、敵陣地占領は敵の咽喉許(のどもと)に銃剣を突きつけることによってはじめて決定的である。
こゝに感激せねばならぬのは「朕剣術教範ヲ改定シ之カ施行ヲ命ス」と仰出されたる(おおせいだされたる)大義の忠節にもとづくべきことである。現実的には、招集入隊してから戦地に出るまでの中には十分訓練を受ける時間がない。また入営後訓練するにしてもそれ以前に訓練しておけば更に熟練するのであるから、軍事の予備訓練として普及させねばならず、今般学校教練要項に銃剣術修練を明記したのもこの故である。(引用おしまい)
周到に昭和天皇への忠節まで持ち出しています。異論を唱えることができるはずもありません。引地中佐の説明から、銃剣道の真髄を整理してみます。

目的 敵を刺殺する
習得技能 剛健な白兵格闘力
精神的向上 必殺の確信
個人の技能習熟がもたらす結果 敵陣地の占領

お母さん、いかがですか? あなたの大事なお子さんに皇国教育を徹底する絶好のチャンス。それとも、まっぴら御免? 「戦前のものとは違う」「ていねいに説明していきたい」といった説明にならない説明がいずれ出てくるでしょう。大手メディアは、どうせ両論併記でうやむやな報道に終始するに決まってます。ご自身で調べて、ママ友と議論して、受け入れるか、拒否のアクションを起こすか自分で決めましょう。
行動するか、流されるか。お母さんの我が子への愛情が問われます。