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2014/07/22

プロ野球、生かすも殺すもメディア次第

夏の高校野球の地方大会真っ盛りですね。日本人はホントに野球が好きです。プロ野球選手も億単位の年棒を稼いでいる人がたくさんいます。昔は一流選手の基準を「1千万円プレイヤー」と言っていました。隔世の感があります。
そんな中で長年悲哀をかこってきたのがパシフィック・リーグ。今みたいに交流戦も、試合のテレビ中継も、インターネットもないころは、全国のファンに顔すら知られていない名選手がいっぱいいました。
今日は1973年10月11日の毎日新聞「八木沢が完全試合 史上13人目」の扱いの悪さを問題にしてみます。以下に引用します。
ロッテの八木沢壮六投手(28)は10日、仙台宮城球場で行われた対太平洋ダブルヘッダー第一試合(12回戦)でプロ入り7年目にして初完封を完全試合で飾った。日本プロ野球史上13人目、パ・リーグでは6人目の快挙である。投球内容は投球数94、内野ゴロ7、内野フライ3、外野フライ11、三振6。(引用おしまい)
現在まででも15人しかいないパーフェクトゲームの偉業なのに、スポーツ面の真ん中あたりにちょこっとあるだけ。過去の完全試合達成名簿と八木沢投手の短い談話、よりによって歯の治療のためベンチにいなかった金田正一監督のコメントがくっついているのみで記事は終わりです。八木沢投手の経歴もなければ、完全試合の意味も読者に提供されていません。これではリーグに人気が出るはずがありません。パ・リーグとは草野球並みの「パーソナル・リーグ」だったのでしょうか?
ちなみにスポーツ面のトップ記事は「田淵逆転満塁ホーマー、阪神先勝、首位奪う」。タイガース、タイガースとデイリースポーツじゃあるまいし。
毎日新聞はロッテオリオンズの前身の親会社でもあります。1949年に「毎日オリオンズ」を結成したのが、今の千葉ロッテマリーンズの始まり。身売りで捨てられて、なおこの仕打ち。オリオンズがふびんでなりません。
パ・リーグへのメディアの冷たい対応は、この年のシーズンオフに大問題を引き起こしました。ロッテと日拓ホームフライヤーズのパ・リーグ同士の合併、1リーグ制移行議論です。プロ野球オーナーは経済人ですから、お金にならない経営を嫌います。
このお話は立ち消えになりましたが、毎日新聞が八木沢投手の完全試合をお金にならないニュースだと判断したことについては、考えてみる価値があります。
わかりやすい、きらびやかな話題ばかりに目をとらわれていると、大切なことが
見えなくなってしまいがちになります。
例えば集団的自衛権。ドラスティックな憲法解釈(良い意味ではありません)に翻弄されて、アベノミクス(死語?)とかいう経済政策に気を配る人が減っているような気がします。