1988年4月2日、全国紙にそろって「原子力発電所 私たちが『安全』を守っています」という一面広告が載りました。原発稼働に従事する人たちの写真が並んでいて、「人類の英知」である原子の炎の安全性をアピールしています。以下に引用します。
電気事業連合会は、電力会社が作った任意団体。身内の太鼓持ちですね。 何かを持ち上げる(日本の原発)ために、別の何かを貶める(チェルノブイリ)のは、論拠を持たない人間がやる、もっとも幼稚な議論です。ソ連での事故に反原発運動の広がりを恐れたのでしょう。今となっては、見事なブーメランとして広告主の脳天に突き刺さっています。これは15カ所の原子力発電所で働く、2万9,757人からのメッセージです。安全が何より大切であることは、私たち自身がいちばんよく知っています。2年前のチェルノブイル原子力発電所の事故は、安全設計の違い、重ねがさねの規則違反……とても信じられないものでした。日本では起こりえない事故ですが、私たちはこれまで以上に心を引きしめて、安全確保につとめます。日本の原子力発電所は、安全最優先の思想にもとづいて設計され、運転されています。
電気事業連合会(引用おしまい)
安全設計の違い?福島の事故はチェルノブイリと同じレベル7。
ロシア人による重ねがさねの規則違反?吉田昌郎元福島第一原発所長の調書にあった所員9割の命令違反は?
夏の怪談の季節が鹿児島から始まりました。この広告は、節電の夏にぴったりの副読本ですね。