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2014/07/14

野々村竜太郎さんが教えてくれた地方議会のレベル

税金泥棒疑惑の野々村竜太郎・兵庫県議が辞任、自身のブログに「辞職に伴うお詫び等」を発表しました。公人・当事者意識の薄さは相変わらずですが、事後処理を警察に丸投げしてしまった議会の無能もあらわになりました。
地方議会の水準なんて大方こんなところなのでしょう。今日は、20年前に大東亜戦争観に染まった決議案をブチあげて炎上、立ち消えに終わった愛媛県議会の体たらくを紹介します。1994年9月1日の朝日新聞「『戦争でアジア独立』 愛媛県議会議運委が決議案提出へ」から引用します。太字挿入はおじさんによります。

敗戦から半世紀になるのを機に、愛媛県議会の自民、社会、民社党の県議11人で構成する議会運営委員会が30日、太平洋戦争によって「植民地支配から(アジア諸国の)独立が実現」などとする決議案を3日の本会議最終日に提案することを全員一致で決めた公明党の議員一人も提案議員に名を連ねる予定で本会議で採択されるとみられる。議運委の議員は「戦没者に思いをはせ、恒久平和への努力を誓うため」と説明している(中略)。
提案されるのは、「戦没者に追悼と感謝の意を表明し、恒久平和の建設を誓う決議」。
太平洋戦争とアジア諸国の関係について「欧米諸国の数世紀にわたる植民地支配から独立が実現し、今や世界が瞠目(どうもく)する経済発展を確かなものとしている」とし、「これはひとえに、祖国の安泰とアジアの解放を願って尊い命を捧げられた本県4万4千余柱ほか全国300万余の戦没者のたまもの」としている。(引用おしまい)

歴史修正主義の屁理屈の中でも一番稚拙な手垢にまみれたヤツ。心あるまともな右翼なら「頼むからやめてくれ」と言う類です。議論にならないからね。社会党も尻馬に乗って何をやっているんだか。公明党に至っては、集団的自衛権の論議での態度にそっくり。続きを引用します。

決議案は、自民党県議が会長を務める「日本の伝統と文化を守る愛媛県民の会」が、同県遺族会などに呼びかけ、9月下旬に県議会に決議を要請した。この要請文をもとに、議運委が決議案を作成した。
傍聴した共産党の県議は委員会後、反対を表明したが、同県議会の議席50人中、決議案に同意した自民、社会、民社クラブと、呼びかけに応じた公明の計4会派で48人を占め、決議案がそのまま採択される可能性が大きい。
議運の玉井実雄委員長(自民)は「あの戦争はアジアの独立を促したと思う。各党も合意しており問題はない」。社会党の成見憲治県議は「アジア諸国の解放という表現に異論はあるが、戦没者の慰霊という意味で総論で賛成した」と話した。(引用おしまい)

「日本の伝統と文化」とは何でしょう。外国に押しかけて欧米人を殺し、現地人を苦しめ、兵站の届かない遠くまで兵隊を送って自国民を餓死させること?
この決議案は日米同盟にもつばを吐きかけています。自民党の議員が反米右翼を気取ったら国政サイドから見て非常にまずい。自分と周囲が見えない人を田舎者と呼びます。このケース、社会党・公明党議員も同様な田舎者です。
全国ニュースになった県議会は、あわてて決議を見送りました。しかし、県観光協会の韓国行きは延期に。中央政界も地元経済にも害を及ぼした地方議会の顛末でした。
野々村議員の前に愛媛県議会があった以上、今後もいろいろ出てくるような気がします。そんな連中を監視する必要を示唆した、絶叫号泣男の存在意義でした。さようなら、野々村竜太郎。