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2014/07/15

ドイツのサッカー、日本の蹴球(2)

前項からの続きです。
個より組織力を重視するドイツサッカーの伝統は、愚直で面白味に欠けるとも言われますが、勝利への確固たる哲学としておじさんは気に入っています。前回大会のおもしろすぎるスペインサッカーもいいですが。では、日本サッカーが継続中の伝統、言い換えれば世界に置いていかれる悪癖とは何なのでしょう?
かつて西ドイツにウォルフガング・オフェラート(Wolfgang Overath)という名選手がいました。1977年6月に引退興行を兼ねてFCケルンのメンバーとして来日しています。その際、現在に通じる日本人への提言を残しています。この月6日の朝日新聞「引退するオベラート『窮地にもろい日本選手』」から引用します。
(前略)――日本サッカーの欠点はどこにあるのか。
「大きく分けると三つある。気まぐれなこと。日本のプレーヤーは、調子よくいっている時は大胆なプレーをするが、窮地に追いこまれたり、受け身になるとすぐしぼんでしまう。わたしたちが守っていてちっともこわくないのはその辺に原因があるのだろう。守備の組み立てにも甘さがあり、簡単に点を取られてしまう」(引用おしまい)
これ、40年近く前。コートジボワール、ギリシャ、コロンビア戦と見るにつけ、これが日本代表の「伝統」なのかと思ってしまいます。いっそ70歳のオフェラートに日本代表監督を任せたい。
民族ジョークに「最強の軍隊」というのがあります。アメリカ人の将軍、ドイツ人の将校、日本人の下士官・兵士、と言うもの。将軍はサッカーの場合、資金繰りや方向付けをするマネージャー。米国人は合理的です。
どうやら今後4年、日本軍のことを何も知らないメキシコ人の将校の下に日本軍の下士官や兵士がゼロから隊列を組み直す。笑えます。