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2014/12/17

笑えない「THE MANZAI」(2)

博多華丸大吉の優勝で終わった「THE MANZAI」。レギュラー番組をいくつも持つ売れっ子が優勝。当然です。大ヒット商品に傷を付けるわけにはいきません。実力で応えた華丸さん、大吉さんもさすがです。
前項からの続きです。今回は芸の中身以上に、フジテレビの番組制作姿勢が鼻につきました。
出場漫才師がバイトしてるとか、子供いてるかとか、個人情報要らんねん。終いには「安定した生活」のために大会がんばるって、テロップまで出して、アホちゃう? 安定収入がほしかったら、すぐに芸人やめて他の仕事探せや。
視聴者にとって重要なのは、漫才がおもろいか、つまらんかだけや。漫才師本来のモチベーションかて、客を笑かすことちゃうんかい。ほいであかなんだら他の仕事探せ。基準がようわからん「認定」漫才師やらがなんぼおもろいか、そんだけ見せたらええねん。同情乞うて漫才の仕事もろてうれしがっとる連中は、他の仕事探せ。
つい、言葉が荒くなってしまいましたが、これ、制作サイドへの注文です。ネタ番組の作り方が理解できていない。ダラダラしゃべったり、ぎゃあぎゃあわめいたりのバラエティ番組ばっかり作ってきたツケです。漫才レースは、「ガンバってる私のブログ品評会」ではありません。
フジテレビもマトモな番組を作っていた時期がありました。1982年6月23日付の朝日新聞「再び『北の国から』」から引用します。
3月末に終わったばかりのドラマ「北の国から」(フジ系)が再び各地で放送されている。終了の翌週からもう一度というのがフジなど3局。その他にも、6、7、8月と次々に再スタート、初放送のネット局19がそろう。さらに、初放送に加わっていなかった局でも、岩手放送、高知放送、テレビ大分など12局がすでに放送中、あるいは予定と、異例の再放送ラッシュ。
この「北の国から」、大半が北海道・富良野でのロケとあって、通常のドラマより多めの製作予算を組んでいた。それが、一昨年秋に本格的収録を始めると、天気待ちで宿泊費がかさんだり、防寒着が必要だったりで、たっぷり取った予算もすぐオーバー。「金食いドラマ」などともいわれ、2クール(半年)放送の予定を1クールに縮めろとの声も。それを、制作陣は「新しいタイプの作品なのだから」と説得、収録を終えたが、予算を5千万円ほど超過した。
ところが、フタを開けてみると、スタッフの予想を超す反響。ドラマでは例のない終了直後の一斉再放送という結果に。
フジを30局への販売価格は目下集計中だが、予算超過分を十分に回収できる額になりそう。損して得とれのケース。「勝てば官軍」の声も聞かれるが、ここは「絶対に良いものになる」と信じて踏ん張った制作陣の情熱と、それを通した幹部を評価すべきだろう。不況の続くなか、ドラマに限らず制作環境は厳しいが、冒険を恐れていては新しい良いものは生まれない、という当たり前の教訓を、この再放送が示してくれた。(引用おしまい)
今に語り継がれる「北の国から」はこうして生まれました。スタッフに面白いものを作りたい気持ちあらば、素人のブログみたいな構成や噛み倒し放題のアナウンサー起用など行われるはずがない。
この漫才特番を来年以降も続けるつもりであれば、もっと練りこんで、視聴者を舐めたつくりはぜひ控えてもらいたいものです。内容が聞き取れないような素人同然の自称漫才師たちは、所属事務所が何とぬかそうが足切りするぐらいやらなきゃ賞に権威は付きません。
さて、出演者の中でもっともコンビとして機能していなかったのはどこのどなただったでしょう?
司会のナインティナインでした。進行で絡み合って盛り上げる場面皆無。二人で出ている意味がない。これならどっちか片方だけでいいや。なんでこんなに面白くなくなったんだ。来年から司会者も認定制にしますか?