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2014/06/10

プロジェクトX〜巨大権力からNHKを守れ!(2)

前項からの続きです。
取材現場の声に、視聴者が呼応します。9月1日朝日の続きを引用します。

(中略)日本放送労働組合(注・NHK労組)によると、31日までに東京など全国の放送局に視聴者からきた抗議の電話は約600件。鳴りづめの感じ、という。「口座払いをやめて、現金払いに戻す。今度、集金にきた時、じっくり説明を聞きたい」との通告もあった。(注・実際には相当数の不払い世帯が発生)
外部からの電話応対のため、日放労の中執メンバーは、24日から交代で泊まり込みをしている。組合としてはまだ中央からの指示を流していないのに、各職場での抗議の動きが自発的に起きた、という。九州の各放送局では、職制も含めた抗議運動が検討されるなど。「労使の問題ではなく、NHKの本質にかかわることだから、敏感にならざるを得ない」とある中執委はいう。
他方、NHKの広報室は「小野会長は明治の生まれだから、(田中前首相が)逆境の時にこそ慰めるのが、真の友情とでも思ったのでしょうかなぁ。とにかく、我々も報道で知って、寝耳に水だった」。(後略、引用おしまい)

小野会長の援護をするはずの広報室まで、戸惑っているのがわかります。やっぱり「個人的見解」だけで組織を振り回しちゃいけないね。
小野はしばらく会長職に連綿とした態度を取りますが、結局9月3日に辞任を発表します。
労組の運動により、NHKには137万人を超える「天下り会長拒否」の署名が集まり、次期会長選定は難航しました。「天下り」には役人上がりだけでなく、政府が押し付ける人材すべての意味合いが含まれていたそうです。かくして、日本放送協会はめでたくその独立性を確保したのです。
「プロジェクトX」の歴代エピソードと比べても、かなりの名作ですね。ぜひ2014年版のリメイクを望みます。新作では「オノ」を「モミイ」、「タナカ」を「アベ」と、キャストを若干替えねばならないのが手間ですが。
現状のままだと、エンディングに中島みゆきをかけることができません。今のNHKなら、視聴者が思い浮かべるのはユーミンの「あの日にかえりたい」。1976年のあの日に。