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2014/06/07

チェルノブイリ発福島行・いったい何を食べたらいいの?(1)

「食品安全検査」という言葉に引っかかるおじさんです。ついこないだまでの「原子力安全委員会」につながるウサンくささを感じます。看板の掛け替えでは意味がないけど、本来の目的は「危険農産物除外検査」だよね。
今日はチェルノブイリ(Chernobyl事故でヨーロッパの農家に何が起こったのか、その一端を引いて原子力事故の恐ろしさをみんなと考えてみたいと思います。最初は1986年6月4日の朝日新聞から「ウサギ数万匹 汚染で処分へ」。以下に引用します。


【コモ(イタリア)=AP】イタリア北部のロンバルディア州の州知事は2日、チェルノブイリ原発事故の影響でコモ県内のウサギの肉から許容量の2―2.5倍のセシウムが検出されたため食肉用に飼育しているウサギのうち、生の草をえさにしているウサギをすべて処分するよう命じた。
コモ県は欧州最大のウサギの生産地で、約10万匹を飼育。知事は、生の草を食べているウサギの数や干し草をえさにし、汚染されていないウサギの数は不明としており現在、担当者が処分する数を決める作業に入っているという。処分されるウサギは数万匹になる見込み。(引用おしまい)

原発事故が外国に農業被害をもたらした時、賠償問題はどうなるのかな?「みんなの知識」で調べると、コモ県(Como)はチェルノブイリの西に1600キロ以上離れています。放射能の飛び散り方には、偏西風なんて関係ないんだね。
次は1988年1月30日の同紙「チェルノブイリの影響 羊肉汚染は30年続く 英のウェールズ地方」より。

【ロンドン30日=友清特派員】ソ連チェルノブイリ原発事故のため英国ウェールズ地方の羊肉は30年間も基準以上の放射能汚染が続くという調査報告書を英国農地所有者協会がこのほど発表した。
(中略)放射能雲は翌月の2、3日に英国の北ウェールズ、スコットランドにまで流れ、折からの雨で地上に降り注いだ。このため6月にこれら地方の羊肉の出荷が禁止された。7月から10月にかけ地区ごとに解除されたが、昨年7月に北ウェールズ地方では高汚染が見つかり再び出荷停止され、現在も続いている。
報告書によると、放射能汚染の長期的影響で一番問題となるセシウムについて地中での様子や牧草への移行について分析。問題地域の数万頭の羊の肉の放射能は現在1キロ当たり3300ベクレルだが、これが許容基準の1000ベクレル以下になるには30年かかるとしている。
英国や近隣諸国の原発で大事故があった場合には、ソ連事故より大きな被害が予想されるため、ソ連事故の長期的影響の科学的調査、事故対策を進めるべきだ、と報告書は訴えている。(引用おしまい)

みんなの知識」で、とりあえずウェールズ(Wales)の中心都市カーディフ(Cardiff)を起点として、チェルノブイリとの距離を測ってみました。2300キロ以上離れていますね。偏西風はここでも問題になっていません。日本最北端の宗谷岬と沖縄の那覇市の間が2500キロぐらいだからね。原子力発電は安上がりだと言ってる人の論拠は、一体全体どこにあるんだろう?
この項、続きます