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2014/06/26

沖縄戦司令官・大田実礼賛者の欺まん(2)

前項からの続きです。
沖縄戦の米軍兵力約55万人、日本軍守備隊10万人。兵士が足りません。弾薬はじめ物資も足りません。非戦闘員の民間人に手伝わせてるけど男手は限界。それなら女も動員しちゃえばいいや。こんな島、しょせん本土防衛の捨て石だ。1945年6月15日の朝日新聞「愛児を後方に託し “仇とれ”と母戦ふ 小禄指揮官血涙の報告」から引き続き引用します。太字挿入はおじさんによります。

また敵の手中に陥ち(おち)、後方に運び去られて毒牙に供せらるるを潔しとせざる若き母は、親子生別れ(いきわかれ)を決意して、悉く(ことごとく)幼き愛児を後方に託し、この仇断じてとれよと諭しつつ、あるひは看護婦に、あるひは烹炊婦(ほうすいふ、注・炊事担当)として挺身奮闘せり。
激戦相つぎ車の移動、漸く(ようやく)頻繁の度を加ふるにおよび、衛生兵の前線出動も激しく、看護婦となりし婦女子は兵に代り(ママ)重傷者看護し、あるひは担架にて護送する等、その健気なる姿は、誠に日本婦人の亀鑑(注・よい見本)たり。
さらにまた戦線の変化に伴ひて、遠隔の地に住所地区を定められることあるや。輸送困難を克服し、暗夜篠つく雨中、砲撃弾雨をいとはず、黙々として命に服せり。顧みれば、沖縄防衛戦開始以来、終始、困苦峡乏(こんぐきょうぼう、注・物資不足に苦しむ様)に堪へ、誠心誠意生死を超越し、国体護持の大義に徹せる、その勇戦奮闘の姿は、真に銃後国民の範たるべきものなりと思案す。(引用おしまい)

鬼畜米兵がたくさん上陸していて、生きたまま捕らわれたら、女は残酷な目に遭うと兵隊さんが言います。それなら、空襲や艦砲射撃の弾がどかどか飛んでくる中、小さなこどもを捨てて、コクタイとやらをゴジするために戦場を駆けるわ。
そんな母親がどこにいる?みんなのお母さんがこんな人だったら嫌いになるよね。親子の根本的なつながりを奪ったのが日本軍であり、戦争であります。
厚顔極まるのは、本土の市民にも沖縄県民のようにコクタイゴジ貫徹のためにいずれ死ねと言っていることだね。
大田実が逆境に際してまじめに職務を果たし、最後の最後に沖縄県民を賛美したからといって持ち上げるのは間違っていると、おじさんは強く訴えたいのです。真剣に仕事をした人が皆ほめられるのなら、アウシュビッツ(Auschwitz Concentration Camp)やダッハウ(Dachau Concentration Camp)といったユダヤ人強制収容所の所長だって賛美されなきゃならないからね。
「時代」のせいにするのもフェアではありません。人道は普遍の価値だからね。「時代が変わったから戦争できる国に日本を変える」というお話は、絶対に許されない狂気です。