コピー禁止

2014/07/05

サッカー大好きドイツ人の歴史への強迫観念(2)

前項の続きです
ヒトラー(Adolf Hitler)誕生日の親善試合を中止することで、国内の混乱を収拾したドイツサッカー連盟。ところが、これだけで騒動は終わりません。1994年5月4日の朝日新聞「ヒトラーけったら今度はヘス 独サッカーの試合予定日、また誕生日に」から引用します。太字挿入はおじさんによります。

ヒトラー誕生日の4月20日、ベルリンで予定されていたドイツ―イングランドのサッカー親善試合が、ネオナチとサッカー暴徒との衝突を恐れて中止されたばかりのドイツで、こんどはルドルフ・ヘス(Rudolf Hess、注・ナチス副総統)らナチ幹部の誕生日に組まれた国際試合が問題になっている。
欧州サッカー連合がさきごろ決めた来年の欧州選手権の予選日程によると、ドイツは4月26日にウェールズ、9月6日にグルジア、11月15日にブルガリアとそれぞれ対戦することになった。(引用おしまい)
相手がことごとくナチスドイツの対戦国と進駐国。戦争は後の世代にもしこりを残します。続きを引用します。
このうち、対ウェールズ戦の会場については、ドイツサッカー連盟(DFB)は、ベルリンを第一候補とした。2000年夏季五輪の招致に失敗したうえ、独英サッカーを断念したことへの「償い」の意味もあった。
ところが、4月26日はヘスの誕生日に当たるため、ベルリン市側が難色を示した。ネオナチはいまもヘスをあがめ、誕生日に墓前で集会を開くなどしていることから、騒動のタネになりかねないというわけ。DFBは代案として、あとの2試合のうち、どちらかのベルリン開催を検討しているが、11月15日は「砂漠のキツネ」ロンメル将軍(Erwin Rommel)の誕生日に当たるから具合が悪い、といった反対意見さえ飛び出し、頭を抱えている。とくにヘス誕生日については「ドイツ国内のどこでも開催が不可能だ」としてベルリン市当局者は開催日変更を求めている。(以上AP、引用おしまい)

ヒトラーの長年の盟友ヘスだけでなく、ロンメル将軍までピッチに立たされる羽目になりました。日本では何人が山本五十六の誕生日を知っているでしょう?ドイツ人の記録主義というか、ニュルンベルク裁判史観(というのかな?)厳守思考には感心するやらあきれるやら。
まるで不安障害であるかのごとく歴史にナーバスであり続けるドイツ、過去を忘れて捨てていこうと努める日本。国のあり方として、どちらがマトモなんでしょうね。
みんなはどう思いますか?