コピー禁止

2014/06/21

日英同盟と日米同盟

集団的自衛権の議論が、急に集団安全保障に切り替わって、与党公明党は連立相手である自民党にすっかりなめられていることがあらわになりました。
 いざ戦争になれば地球上のどこで交戦状態になってもおかしくないのに、「我が国の安全保障に直結する近隣地域に範囲をしぼる」なんて眠たいことを言うからつけ込まれる。
今日は、第一次世界大戦に日本が参戦した時の事例を引いて、「集団的自衛権の地域限定行使」なる夢物語をわらうことにします。
1914年、第一次世界大戦が始まると、イギリスは日英同盟を根拠に、アジア地域のドイツ軍と戦うよう、要請します。問題は日本の戦場を、ドイツが駐軍する中国・青島はじめ近海に限定するのか、しないのか。
当時、ドイツは南太平洋のマーシャル諸島を治めていました。そこからドイツ艦隊が中国にやってくると、日本のリスクは高まります。1914年8月31日の東京朝日新聞「戦局限定せず」から引用します。

英国官設新聞局は、日本の戦闘参加区域は支那領海より一歩も踏出さざる(ママ)ことに決定したる如く伝へらるるも、既に帝国が独逸(ドイツ)に対し宣戦を布告した以上、敵の艦隊が支那領海以外に在る(ある)とも、東洋の平和を保障するに危険なりと認むる場合は、其○洋たると○海たるとを問はず、○○すべき自由を有する次第にて、既に○洋方面に○○の○○しつつあるに徴するも、戦域の限定せられざるは明か(ママ)なりと。(引用おしまい)

戦下にあり、伏せ字にされているものの、週末のクロスワードパズルより簡単に解けます。「東洋の平和を保障するに危険なりと認むる場合は、其外洋たると内海たるとを問はず、進軍すべき自由を有する次第にて、既に南洋方面に艦隊の航行しつつあるに徴するも、戦域の限定せられざるは明か」ですね。
東洋の平和を保障するに危険なりと認むる場合」は、現在の自民党の集団的自衛権行使要件「我が国の存立が脅かされ、国民の生命、自由及び幸福追求の権利が根底から覆されるおそれ」にそっくりです。
実際、日本海軍は南洋に艦隊を送っています。戦線は常に拡大するのです。今回の日米同盟による集団的自衛権と集団安全保障の問題において、歴史をかえりみない公明党に期待してはいけません。国民の声しかアテにならないのが情けないね。