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2015/05/04

「花燃ゆ」第18話感想「群頭駄馬!登場」

いやいや、これが憲法記念日に放送する内容ですかね。連休明けにNHKの制作局長が交代するみたいですから、「花燃ゆ」も、もう少しマトモな番組にしていただきたいものです。
井伊直弼が、あっさり暗殺されます。ほんまアッサリ。前回までの熱演は何だったんだ。久坂玄瑞が「本来なら長州が為すべきこと。他藩に先を越されるとは!」とテロガキ全開で激昂します。憲法記念日の放送。
ぼけーっとしたヒロインは、兄が処刑されても能天気。「寅兄様、底冷えがします」などと独白します。松陰百日忌だと、現代なら3月ごろか。底冷えする季節か? もしそうだとしても、皆薄着だよ。底冷えするなら、それなりの厚着しろ。「いえ、これからです」と言う井上真央さん、国語を勉強しよう。否定の意を込めて「いえ」というのであれば、「い」ではなく「え」にアクセントを乗せましょう。「家、これからです」だと、何がなんだか。
国語の乱れは本作の得意分野ですが、間髪をいれず、杉母が追い討ちをかけます。「井伊大老様がお討たれになって、どげえなお気持ちじゃっただろうか、奥方様は」。「お」を連発する気持ち悪い敬語、最低ですね。「お紅茶」「おコーヒー」っていうバカ、時々いるでしょ。あれとおんなじ。そこに久保田磨希さん演じる兄嫁が、義母を称える説明セリフ。久保田さん、ご愁傷様です。
今回も小田村伊之助はヒロイン同様、邪魔でしかありません。松下村塾が「マツリゴトに利用され、今度こそ潰されるかもしれん」ですと。視聴者の多くは、塾が早々になくなる方を望んでいると思われますがね。物故したテロリストの残した巣窟より、お家大事だと思わんのか、この能なしは。
そんなゴミ塾ではテロ野郎どもが、松陰アゲ祭り。前原一誠は相変わらずの慇懃無礼、高杉晋作は、こんなしょうもないセリフ言うために江戸から帰ってきたんですか。テロ塾で振り返る「君の志は何ですか?」。憲法記念日ですよ。
長井雅楽が「朝廷と幕府ガー」などと吹いていますが、天子をトップにいただく「政権」である「朝廷」と、幕府を同列に並べる愚を説明するの、もう飽きたからスルー。すっかり頭がおかしくなった小田村が「熱をどうなさる?」などと吹き出します。お前が言う「各地で高まる怒り、嘆き、渇き」っていうのは、視聴者の声ですよ。熱持ってるのは、お前の頭や。まず医者行け。久坂玄瑞はあかんぞ。あいつは医者ちゃう、狂者や。
ほら、宴会にテロゴロ久坂が乗り込んできた。「通商条約のせいで金が流出、物価が高騰」と演説します。幕府が為替の不平等レートを飲んだのは、攘夷バカどもから外国人の生命を守るために、国内移動の自由制限などを飲ませる苦肉の策だったのです。幕末インフレを生んだのは、久坂玄瑞のごとき多くの外国人ヘイト野郎のせいなのです。この無知と無理解。「花燃ゆ」の浅い限界がここでも露呈しています。
長井の返答も変。「国を開き、通商でむしろ優位に立とうという考えは、むしろ松陰の考えに通じるのでは」って初めて聞いたわ。だれが言うてん? ここまでの展開で伊勢谷友介さん、言うた? 吉田松陰が、何かのたまった? 記憶に無いわ。ぽかーん。
伊之助「この国を変えてみせる」。憲法記念日ですが。「そうすることで寅次郎は死なん」。出た、英霊の死をムダにしないパターン。憲法記念日に戦前回帰だよ。無邪気過ぎる脚本が要注意です。「久坂、お前の志は何じゃ?」。京都御所を襲撃すること。こいつがテロリストであることを忘れずに。塾生相手に、「藩の決定も大事の前ではもはや小事じゃ」というでしょ。テロリストの論法です。憲法記念日の放送です。その後の塾生による「華々しく戦うて散らんと」「死に等級をつける」などのやりとりが気持ち悪いですね。放送日は憲法記念日です。
坂本龍馬も出てきました。そこの感想はスルーです。何しに来たか不明だし、従って収録の意図も不明。メッセンジャー龍馬伝。一言で評すれば「全く無意味な場面」でした。だから、詳細は述べません。簡単に言えばまあ、金返せってことですかね。
めちゃくちゃな作劇。あまりに混乱している時は、異業種の名人の声を聴きましょう。名調教師として、「東京競馬の天皇」と呼ばれた尾形藤吉のインタビューを見つけました。
1959年5月24日付の読売新聞「人」から引用します。
(前略)ウマを扱って体得した人生観というようなものを聞かせて下さいー。
「人の場合はわかりませんが、ウマは、ウワカンはダメですな。カンというのは気性。気の荒さがすぐ現れる浅い気性のウマはダメだ。あせって、追い込みでバテてしまう。ソコカンのウマが伸びる。底意地がしっかりしているウマですな。威勢よくは見えないが、追い込みでねばり抜くもんです」
(中略)どんな騎手が悪い、といえますかー。
「慢心した騎手ですな。まじめな騎手か、慢心した騎手か、ウマに乗せるとすぐわかる。自分とこの騎手ばかりじゃない、よその騎手でも馬上の態度でわかる。慢心すると技術が落ちます。術をみがく人間にとって一番の毒です」
(中略)術をみがくという。術とはまた古風な表現である。第3問、術はどうやってみがきますかー。
「盗むのです。盗むというと言葉は悪いが教えられるものではない。上手な人の騎乗ぶりを見て体得する。剣術は竹刀に聞け、馬術はウマに聞けといいますな。術ですから言葉ではいいあらわせない。ウマと人とかようイキのようなものです。そばで見ていて、そこをもうひと息、そこの手綱、そこの腰…などと思って、はがゆいのですが、教えられない。人の術を見て盗まねばいかん。もっとも段ちがいでは盗めませんな」(引用おしまい)
若手でソコカンの俳優はいますか? 底意地がしっかりしているウマです。松下村塾にはいませんね。スタッフにもソコカンはいそうにもない。
慢心した脚本家、演出家はいねが〜?  「術をみがく」の言を考え直してみましょう。「盗む」とは何か? 「花燃ゆ」に、松下村塾の若手俳優と、北大路欣也、高橋英樹さんらベテランとの交流はありませんね。術を盗みようがない。
あきれ返ったことに、徳川慶喜と島津久光役に、演技経験のない芸人どぶろっくのキャスティングが決まったそうな。演じる方は、「慶喜を知らないので自然体で演じます」とか。徳川政権260余年を締めくくる慶喜が、いかに浅いキャラクターで提出されるのか、不安になります。
どんな企画書なんだ。もしかしてだけど、もしかしてだけど、酔っぱらいが居酒屋で書き散らしてるんじゃないの? これはクズプランです。そういうことだろ。
繰り返しますが、NHKの制作局長が変わります。専門のドラマ制作部長が持ち上がりで就任します。
「花燃ゆ」はじめとした、ダメドラが変わることを視聴者は期待しています。