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2014/07/17

飲酒運転の季節

みんな、楽しい自転車ライフを送っていますか?
蒸し暑くなってくると毎年、「ビール飲んでチャリ乗って気持ちいい」なんてブログが出てきて、おじさんはビックリします。
道路交通法では自転車はクルマと同じ車両なので、お酒を飲んで運転したら罰せられます(5年以下の懲役、または100万円以下の罰金)。それをネットで公開する人たちは、いわゆる犯罪自慢をしたいのかと思っていましたが、ブログを読む限りそんな輩に見えない紳士淑女も多い。本当に知らないんだ。
おじさんにとって、自転車の運転は緊張の連続。適切な速度と車間距離を判断して走らないと死にます。少しでも位置を変える時は後ろを確認してクルマの有無を確認、手信号を出してゆっくりと方向を変更します。酔っ払ってたら絶対に白木のお棺に入って帰宅するはめになります。
今日は自転車の飲酒運転が引き起こしたみじめな死に様と、人様を無残に殺した二つのケースを紹介します。まずは1931年9月17日東京朝日新聞夕刊「酔払ひ自転車」から引用します。当事者の住所・実名はおじさんの判断で省略しています。
15日午後7時半頃、市内蒲田町女塚323わき溝の中に自転車もろ共墜落、頭を下水道に突き差して(ママ)死んでいる男を通行人が発見。蒲田署で検屍の結果、右は市外矢口町(中略、31歳男性)と判明。泥酔して自転車に乗っての過失と判る。(引用おしまい)
ドブに頭から突っ込んでの最期。家族は浮かばれません。アルコールは気を大きくします。メートルもスピードもずいぶん上がっていたのでしょう。
でもこれは単独事故。他人を巻き込むと、もっとひどいことになります。1963年1月25日の朝日新聞夕刊「自転車ではね殺す 酔っぱらい」から引用します。当事者の住所・実名は省いていますが、現実では容赦なく掲載されてしまいます。

横浜・伊勢佐木署は25日、38歳男を重過失致死の疑いで逮捕した。
調べでは24日夜、酔ってサイクリング用自転車を乗り回し、同夜8時50分ごろ、同市中区日ノ出町の交差点近くを友だちと歩いていた仕事帰りの男性に激突、男性は近くの病院に収容されたが、頭を強く打って25日朝6時すぎに死んだ。(中略)男は酔っていたうえ、近くの急な野毛坂から前もよく見ないで猛スピードで下って来たことがわかったため同署で重過失と判定したもの。(引用おしまい)
殺してしまいました。飲酒運転で他人に危害を加えたら、100万円以下の罰金 では済みません。任意保険に入っていても、法を犯している以上、適用除外になります。稼ぎの大半を遺族に渡すために、一生休まず働かなければなりませんね。
この他、飲酒運転にはクルマにひかれて自分が事故死するリスクももれなく付いてきます。みんなの周囲の大人が自転車に乗ってお酒を飲みに行こうとしたら、絶対に止めて下さいね。