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2014/07/03

内閣の独断で米軍人に文化勲章(2)

前項からの続きです。
頭越しに受勲を決められた選考委員会はたまったものではありません。すぐに反発します。1969年11月1日の朝日新聞「異例ずくめ文化勲章授与 選考委にはからず 首相周辺の発意で決る(ママ)」から引き続き引用します。太字挿入はおじさんによります。

しかし、委員の受取り方(ママ)は文部省とかなり違う。津田恭介委員(共立薬科大学長)は「候補者の選び方、飛行士の業績の評価などにかなり異論が出て、委員会としては決めかねるという結論になった。正式にはからなかったのは、否決されるのを恐れたからではないか。いずれにしても、あいまいなやり方なので、委員会として何らかの意思表示をする必要があろう」と強い不満を示している。
選考委の議を経ず、授章を決めた例は(昭和)26年以後一度もなく、その意味でこんどのケースは、ルールを破った、といえそうだ。
(中略)また、宇宙時代の先駆者として評価するのなら、初めて宇宙船に乗ったソ連のガガーリン少佐が来日したとき、なぜ文化勲章を贈らなかったか(同少佐にはどの勲章も贈られなかった)――といぶかる声もある。(引用おしまい)
 ルールの破り方が集団的自衛権行使決定のいきさつにそっくりですね。ものごとの決定権を持つ機関の有名無実化。これがいつでもまかり通る羽目になれば、原発の再稼働も宣戦布告も、「選挙で選ばれた与党の最高責任者」が決めて良いことになりかねません。
安倍さんゴーゴーと、のんきにエールを送っている人から順番に地獄へゴーゴーですよ。宇宙飛行士に文化勲章を贈った程度の一件からでも、権力が暴走する時の危険性をかぎとってほしい。おじさんからお願いです。