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2014/06/28

東映悪役ライムライト(2)

前項からの続きです。
話は悪役連の私生活に及びます。続きを引用します。

遠藤(太津朗)さんはゴルフ、マージャンなど、遊びには一切手を出さない。汐路さんの趣味も日曜大工と家庭菜園だ。一時、剣会にいた小田部通麿さん(59)は、金閣寺近くの寺の住職。ネコ21匹、イヌ3匹と住む。「迷い込んだのに食べ物をやってたらふえましてね」(引用おしまい)

小田部通麿も名脇役でした。おじさんが思い出すのは、こども向けの特撮テレビドラマ「仮面の忍者赤影」での大げさな悪役演技です。時代劇なのに「ファイアー!」なんて叫ぶ姿に、どんな役であってもつめ跡を残してやろうという端役役者の根性を、今では感じることができます。続きを引用します。

福本さんは子どもの学校に出す書類の職業欄は「俳優」とせず、「会社員」にする。「名前も売れてないし、悪役だし……」。長女は幼稚園のとき、テレビをみて「お父さん死んじゃった」と泣いた。汐路さんの長男も、小学生のとき「お前のオヤジはワルだ」といじめられた。取材した悪役たちの子で、父のあとを継いだ人はいない。
57歳、「階段落ちの汐路」はまだ、孫の清宣ちゃん(3)を抱いたことがない。「目じりを下げ、甘い顔をして悪役が務まるかい」。近づくとギョロリと大目玉をむく。
「無理しちゃって。いつになったら抱いてやれるんでしょう」。妻の志げ子さん(52)は、毎朝夫の背中をポリポリとかく。あの階段落ちで受けた背中の傷が、直径15センチほどの大きなアザで残り、いまも朝になるとうずくのだ。(引用おしまい)

汐路章、遠藤太津朗、小田部通麿。皆すでに亡く、東映時代劇悪役の矜恃を守る福本清三さんには、いつまでも元気で、彼らの意地とプロ根性を引き続き見せ続けていただきたいものです。
しつこいようですが、自らの芸能を見せてお金を稼ぐのが芸能人です。日陰であったかもしれませんが、彼らの芸能は死に絶えてしまったのでしょうか?