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2014/06/20

酔っぱらい大国、おそロシア〜日露戦争編

お昼に図書館に行ったら、新聞データベースが混んでて使えません。残念だったけど、歴史好きが増えるのは良いことです。
ところで、みんなのご両親はお酒好きかな?こんな暑い日は、おじさんもビールを一杯飲みたくなります。でも飲み過ぎには注意。頭や体がおかしくなってしまいます。
今日は、国民全体のアルコール好きで知られるロシアが、百年ちょっと前に日本と戦った日露戦争のエピソードを引きます。1912年5月22日の朝日新聞から「ステッセル訴へらる」から引用します。

旅順役の際、ステッセル将軍は兵士の暴行起こらんを恐れ、2万4千留(ルーブル)価値のアルコール飲料を押収し投棄せしめたる事ありしが、常時押収を受けたる商人ミノロウ外(ほか)1名は、此頃(このごろ)其(その)損害要償訴訟を提起したるに、第一裁判所は原告の要求を是認したるも陸軍省は抗議を為せりと。(引用おしまい)

ステッセル将軍(Anatolii Stoessel)は、酒を売りに来るバイヤーから酒が兵士たちの手に渡る前に、大量のウオッカを押収したり捨てたりするために神経をすり減らしていたのです。およそ最前線で戦う陸軍トップのやる仕事ではありません。索敵や偵察に使うべき兵力を、味方の飲酒対策に割かねばならない将軍の心中や如何に?前門の日本軍、後門のアル中です。
訴える奴も訴える奴だと思いますが、舞台が亡国の戦場であったにもかかわらず、裁判所が酒屋の言い分を認定してしまうのが、さすがのおそロシアっぷり。
日本側の乃木希典大将は、ロシアの酒売りたちへの帝国の勲章授与を上奏すべきでした。
司馬遼太郎の「坂の上の雲」でも凡将として扱われているステッセル。彼こそは、ロシア皇軍の強大な飲酒癖を敵に回しつつ、第日本帝国と渡り合った稀有な軍将として記憶されるべき逸材なのかもしれません。
この項、続きます