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2014/06/04

かりゆし閣議の吉田茂的傲慢

スーパークールビズなる「イベント」が今年も始まりました。沖縄の「かりゆし」という服を閣僚全員で着て、沖縄のことがわかったふりをする、夏恒例のキャンペーンです。政権が自民党だろうが民主党だろうが必ずやります。
毎日新聞によれば、菅官房長官は記者会見で「閣僚全員がかりゆしを着ることで国民の皆さんに沖縄の伝統を感じ、知ってもらう機会になればと思う」と語ったとか。69年前の6月は沖縄戦真っ盛り。民間人が矢面に立たされ、最悪の地上戦が繰り広げられて沖縄の人たちが大勢殺されていたのです。
そんな地獄などなかったかのように、「国民に沖縄の伝統を知ってもらう」との上から目線。沖縄に興味なんかない人の言い草です。興味がないから、みんな全然似合ってないよ。かりゆしがかわいそうです。
今日は1954年1月19日の朝日新聞から、吉田茂首相の記者会見での沖縄返還についてのコメントを紹介します。当時沖縄は戦勝国アメリカのものでした。日本に返してもらいたいと、多くの国民が希望していました。吉田という人は、戦争に負けてボロボロになった日本の立て直しに努めた人として、今でも名宰相だと言われることが多いです。卓見を披露してくれたかな。以下に引用します。

(前略)現在の沖縄は米国が軍事上の必要から占有しており、沖縄を失うことは共産勢力に対する太平洋防衛の一翼が欠けることになるわけだ。小笠原諸島の場合でも現に終戦直後昔からいた日本人を帰そうという話が出たこともある。しかし後で話が変化してしまった。国際情勢の変化でいろいろと変わるものだ。国境の問題はあまりケンカ腰にならずダマッておけばサッと還ってくるかもしれない。神経を使いクヨクヨする必要はない。(後略、引用おしまい)

お前は日本の総理大臣じゃないな。アメリカ国防総省の役人か?特権意識が強く、貴族主義的だと言われた人らしい傍若無人ぶりですね。その場にいた新聞記者も何も言わなかったのかな?みんなも将来、政治家になるんだったら、福島や沖縄に住む人たちの気持ちを理解してものを言うようにして下さい。
中央の政治家の沖縄に対する感覚なんて昔からこんなものだったんだ。戦争嫌いな琉球人の精神が込められたかりゆしを着た人たちが、日本を戦争への道へ再び導きかねない集団的自衛権の行使を議論するよ。こっけいだね。笑えないけどね。