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2014/05/23

ディズニーこそ我が皇国の敵

米国の映画会社ディズニー(the Walt Desney Company)のアニメ「アナと雪の女王」が大ヒットしていますね。映画館にいるみんなで歌えるのが新しい集客戦略です。おじさんはトシをとったので、あの歌を聴くといつも、1980年代にヒットしたジャーニー(Journey)というバンドの「Don't stop believin'」という曲を思い出しますが、まあその話はどうでもいいや。
ディズニーは、アメリカとの戦争を始める前から日本の少年少女に大人気だったのですが、優秀なアニメーターで経営者のウォルト・ディズニー(Walt Desney)は戦争が始まると、米国民の戦うぞって気合を高めるための宣伝作品を作りました。みんなが大好きなドナルドが、交戦国の日本やドイツを笑い者にするアニメだよ。プロパガンダといいます。
もちろん当時、それが国内で公開されることはありませんでしたから、放っておけば良いものを、世の中には「ねーわ」って、攻撃しないではいられない人がいるのです。ネットと同じだね。
1944年8月30日に朝日新聞の映画記者が、悪くなる一方の戦況のせいか暑さのせいか、突然逆ギレして、ディズニー映画にいちゃもんをつけます。題名は「米映画の謀略性 侮りがたい巧みな欺瞞ぶり」。ちょっとおもしろいので引用します。

(前略)劇映画の謀略はむしろその間接的効果を重視すべきで、時局に関係ないものでも(たとへば昨年以来音楽映画が量的に増大した)性的扇情性や享楽的なもので第三国を魅惑したり、アメリカが食料豊富で、生活が快適であると思はしめ、アメリカ人は楽天的でユーモアに満ち、残虐を嫌ふと盲信させたりする。
この魔力は一般のアメリカ映画の広義の謀略である。露骨な宣伝とは気づかしめないで、毒を含むウォルト・ディスニィ(注・ディズニー)の長編色彩漫画の如きもさうした謀略の一例といへよう。
(中略)即ち映画資本家は第三国への販路の拡大を喜ぶが故に、命じられずとも進んで露骨なアメリカニズムの撒布に狂奔する。謀略が商業主義と矛盾しない点がアメリカ映画界の特性である。(引用おしまい)

「謀略」を連呼しないと気が済まないぐらい怒っています。でも、このころは対戦国のアメリカが作る映画なんて全然見られないんだから、読者はポカーンだよね。お金をもらって文章を読んでもらっている新聞記者が読者の方を向いていません。いったいだれに読んでほしかったんだろう。偉い人かな?戦争になると戦場にいなくても、みんな頭がおかしくなります。戦争するのは絶対にダメだから、そうならないようにみんなでがんばろう。
おじさんは、こんな風によその国の人や文化をバカにするような風潮になるのが嫌です。戦前はディズニー映画が大好きだった日本人が謀略謀略謀略謀略と攻撃する、ディズニーも過去のアニメを愛してくれた日本人をバカにする。戦争って本当にくだらないよ。
おじさんは寿司や刺身が大好きですが、キムチや中華料理もおいしいと思います。その国の人たちがはぐくんできた文化を尊重できる大人になるのは普通のことです。「普通の国」とは戦争をしない国のことだよ。おじさんも考えるから、みんなにも考えてほしいな。