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2014/05/13

ザ・ビートルズ来日 1966

1960年代に活躍した英国のロックグループ、ザ・ビートルズ(The Beatles)のメンバーだったポール・マッカートニー(Paul McCartney)が48年ぶりに東京の日本武道館でコンサートを開くそうです。
今では音楽の教科書にも載っているから、みんなビートルズは知っているよね。おじさんがこどもの頃の音楽の先生は、日ごろからビートルズがまるで悪魔の音楽の使者であるかのように攻撃して、クラシックばっかり聴かせてくれました。モーツァルト(Mozart)も素敵だけど、バランスは大切だよね。
熱狂的なファンによる事故が起きないように一所懸命に努力した当時のお巡りさんたちの新聞記事がありました(1966年6月21日朝日新聞朝刊)。
「たかが四人の歌うたいのために」という書き出しで始まる記事は、東京都を守るお巡りさんの組織である警視庁がグループの来日に合わせて、対策会議を開く場面を紹介しています。集められた署長や機動隊長さんらは知識も興味もなくて、「ビートルズは男なの、女なの?」「どうして、むすめたちは夢中になるの?」と文句を言っていました。でも、世界中から熱くなったファンによる騒動を聞かされて、まじめになったお巡りさんたちは、市民を守るために警備本部を作りました。米国との安全保障条約とか、韓国との話し合いとかに反対する学生運動と向かい合う規模で警備に臨むことにしました。ビートルズの人気ってすごかったんだね。
グループがやって来る時の羽田空港には検問を設けてファンを阻止、ホテルまでの道のりは本部以外には警視庁の中でも秘密で、ホテルの周りに2千人のお巡りさんを置いて、事故にならないようにしたんだって。東京中の小中高校には、ビートルズが来ている間はこどもたちに「節度ある行動を取る」よう先生が説得する要望書を出して、コンサート会場近くの皇居のお堀にファンが落ちた時の用心に救命ボートまで用意したそうです。
公演初日をルポした7月1日付朝刊によれば、1万人の観客が来るコンサートに2千人のお巡りさんを配備して、投光機の付いた車も運んできちゃいました。その頃の暴力的な学生さんたちを取り締まる際に使った車ですよ。
おかげで、ビートルズが日本にいた間は大けがした人は出ずに済みました。でも、それから12年後、北海道でイギリスから来た別のグループのコンサートで、お客さんがステージに押しかけたため女の子が押しつぶされて死亡する事故が起きちゃったんだ。
人間は経験を積んでも必ずミスをする動物だからね。みんなも気をつけてくださいね。